スマトラ旅行記
6日め・その2(1月3日)
「ミナンカバウの女子大生と初詣」(パダン)
マタハリ・デパートを出て、西に向かい、博物館に入って行きました。 ミナンカバウ風の建物で、庭がとても広く、美しい所です。しかし、入り口のところで、「今日は休館だよ。」と、言われてしまいました。
広い庭が公園のようになっているので、ミナン風の建物を写真におさめようと思い、中に入れてもらいました。 建物に向かって歩いていると、米倉のような高床式の建物が、本館の前、左右に配置されていて、高床の下のベンチで、2人の女の子が本を読んでいます。 イスラム風の服装をした眼鏡の女の子と、トレーナーにジーンズという現代的な女の子。
「今日は休館ですよ。」と、現代的な女の子が声をかけてきました。
声をかけてきたのは、カレッジで英語を学んでいるデスリワティ。 20才前後でしょうか。米倉の下で、涼をとりながら、従妹の女の子と読書をしているのです。 世間話をしているうちに、少しずつ親しくなって行きました。
彼女の家はインドネシア風焼鳥のサティを売っていて、暇なときは彼女もサティを焼いたりするのだとか。 彼女をきっかけに、パダンでは、実に多くの人々と知り合うことになるのですが、それは、また、次回以降の話。
サティを焼くデスリワティ。カレーソースが絶品です。
「この後、どこへ行くの?」と訊かれ、「中国寺院に行きたい。」と答えました。 毎年、元日には、東南アジアのどこかの街の中国寺院か、タイの仏教寺院に初詣に行っているのですが、今年はまだその機会がなかったのです。
寺は、博物館からタクシーで1,400ルピア(約63円)の距離。1,000ルピアの賽銭をあげ、線香を焚いて、この年初めてのお祈りをしました。
パダンの中国寺院。東南アジアに共通の天后が祀られています。
この界隈は見所が多く、寺の前には、オランダ時代の洋館が連なっています。 川の対岸は、中国人墓地。この辺りが、パダンのチャイナタウンなのです。 そういえば、マレーシア東海岸の街、クアラ・トレンガヌのチャイナタウンによく似ているような気もします。 バンコクのヤワラのような町とは違って、ひっそりとはしているけど、それでもショップ・ハウス風の建物が通りの両側に広がっています。
「中国人の友だちは、みな、いい人ばかりよ。」と、デスリワティ。 マレー系と中国系との確執がなにかと話題になるインドネシアなのですが、若い世代には、反中国人感情が希薄なのでしょうか。
途中で馬車を拾うと、パダン・ビーチに向かいました。 馬車に乗るのは初体験で、なかなか快適です。5分ぐらいでビーチに着きました。 2,000ルピア(約90円)という値段は、タクシーと同じくらい。現地の人にとっては、けっして安くない乗り物なのでしょうが。
パダン・ビーチは、鎌倉の由比ヶ浜のようなところで、ムアラ川の河口の、向こうの岬が江ノ島のように思えてきます。
「パダン・ビーチの夕照はとても美しいの。日が沈むまで、お喋りしてましょう。」
海に突き出た石の上に腰掛けて、日が沈む頃まで話し続けました。 ミナンカバウの生活のこと、彼女自身の将来のこと、イスラムのこと、日本のことや、中国や、シンガポールのことまでも。
空がオレンジ色に輝き始めた頃、デスリワティが立ち上がりました。
「雨になるわよ。降り始める前に、ショッピングに行きましょう。」
マタハリ・デパートで土産物を探したのですが、あまりいい物がありません。
「お土産なら、もっといい店がある。」という彼女に連れられて外に出たら、いつの間にか雨になっていました。地元のパダン・レストラン。パダン料理はかなり辛い。
1日め 2日め・その1 2日め・その2 3日め・その1 3日め・その2 4日目 5日め・その1 5日目・その2 6日め・その1 6日め・その2(you are here!)
7日め index
![]() トップ |