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 スマトラ旅行記

                             

                3日め・その2(12月31日)

 「大晦日の夜、おおいにもりあがる」(ペカンバルー)

 

 


 
  10時過ぎにホテルのバーへ顔を出すと、歌手のレニとバンドのメンバーが飲んでいました。席に割って入り、しばらく話し込みます。 やがて、ホステスのハニー(林真理子)も加わると、少しずつ、パーティー気分に・・・。
昨夜とはうって変わって、千客万来。華やかな雰囲気に包まれて行きました。街の社交界の中心が、今夜はこのホテルに移ってきたのです。


  こちらの席には、ドレス・アップした女性陣が勢揃い。彼女たちのほとんどが英語を話します。インドネシアの地方都市にしては、英語人口の比率が異様に高いのです。 おかげで、なぜ、こちらが、半ズボンにTシャツなとどいうラフなスタイルでいるのか、あちこちから説明を求められることとなり、そのたびに、 「まともな服はシンガポールに忘れてきた」という説明を繰り返すはめになったのですが・・・。


 歌手のレニが母親を紹介してくれました。60才ぐらいでしょうか。小柄で、とても品が良い。昔、北海道大学に留学していたとか。 北海道で日本人の青年と婚約していたのに、先立たれ、結婚が果たせなかったという。


 末の娘レニの他に、2人の娘も同伴していて、エスコート相手のいない長女とは特に緊密になりました。 アルコールに煙草、音楽と踊りという、非イスラム的な雰囲気の中、明け方まで、ずっといっしょに踊っていました。


 インドネシア人は一般に、音楽と踊りに恍惚とするようです。情熱の赴くところ、その表現の仕方が、北半球の人間とは根本的に異なるのでしょう。 イスラムも、この情熱だけは抑えきれないようで、徐々に高まっていく体内のアルコール度に比例して、バーの中の熱気が人々を躁的に駆り立てていく。 レニの母親は、レニの歌に合わせて踊っています。日本ではまず見られない光景でしょう。


          
  新年まで、あと数分と迫りました。突然、バンドが止み、照明が消えます。 皆で風船を叩き割り、この日特製の紙ラッパを鳴らし合う。金紙や銀紙や色紙で派手に装飾した細長いラッパで、昼間、街のあちこちの屋台で売っていた代物です。


  年が明けて、照明が点くと、誰かれかまわず抱き合って、「おめでとう!」と祝福し合いました。 多難な1年だったけど、最後は楽しく締めくくることができたので、まあ、終わりよければすべてよし、なのでしょう。 この後、朝の3時半まで、皆で踊り続けたのでした。

             
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