クルーセ村は、パニタの市街地から、南東に7kmほど下ったあたり、ナラティワートに向かう国道42号線沿いに広がっています。
パタニからはソンテオウが頻繁に出ていて、この日も学校帰りの中学生たちでどの車も超満員でした。
ソンテオウは、小型の軽トラックの荷台を客席に改造した、いわばミニバスで、安価な料金と、網の目のように張り巡ったきめ細かな路線から、
タイの地方都市では、もっとも重要な庶民の足となっています。 |
客席が超満員なので、僕は後部に取り付けられた乗降用のステップの上に立っていました。
長さ1.5m、幅が20cm程度のステップに、僕も含めて10人ほどの客が押し合いへし合いし、車体の屋根のフレームにしがみついています。
安全第一主義の日本では想像も出来ない光景ですが、法や規則にとらわれない、いかにもタイらしい現実的な対処のしかたが、ほっとさせてくれるのです。
タイに来るたびに、自分の才覚で生きているのだという、日本では味わうことのできない感覚を思い出すことになるのです。 |
クルーセ村が近づいたとき、ソンテオウのステップの上で袖を摺り合わせていた中学生たちが、「ここだよ」と教えてくれました。
国道の左手に、古びた赤煉瓦色のモスクが建っています。 |