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第9話   ペナンの中国人・3


 ペナン内陸部の中心が、ここ、バリク・プラウです。中心といっても、ひなびた田舎の集落という風情。ジョージ・タウンの賑わいやバトゥー・フェリンギの華やかさから比べると、「裏ペナン」という呼び方がふさわしいような町。それでも、町の中心は中国系の商店が占めていました。



けだるい午後、バリク銀座にて。



 メイン・ストリートに面した大衆食堂。ランチ・タイムが終わり、閑散とした店内で、のんびり点心など楽しんだ午後。店の主人が中国語で話しかけてきました。なにもわからずきょとんとしていたら、「マンダリンなら話すのか?」と今度は英語で訊いてきます。

「いや、日本人だ。」と答えたら、驚きの表情で、「日本人なのか。日本人を見るのは初めてだ。」と、珍しいものでも見るかのように、まじまじと、こちらの顔を覗き込んだのでした。

 ペナンも意外と奥深いのです。

 


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