東南アジアを旅していると、アジアとは結局はインドと中国なのだということを痛感します。タイであれ、マレーシアであれ、インドネシアであれ、まず現地のオリジナル文化があり、その上を圧倒的に広大なインド文化が覆っている。そしてさらにその上に中国文化がかぶさっているという実感は、あたらずとも遠からず、というところだと思います。
インド文化は、かなりの程度、現地文化の中に浸透し、専門家でない人間には、どこまでがオリジナルでどこまでがインドなのかという見分けはつけにくいのですが、表面におおいかぶさる中国文化は誰の目にも明らかでしょう。
タイのチェンマイで、夜、街歩きをしていたとき、どこからか流れてくる中国風の音楽に誘われて、中国人会館のような建物に足を踏み入れたことがあります。なにかの催しでもあったのか、運良く、1階のホールでは広東劇の上演中。椅子に腰掛けて眺めていたら、親切な誰かが甘味デザートを持ってきてくれた、などということがありましたが、もちろん、街のその界隈には、中国語の看板が目立っていました。
東南アジアで、中国文化は傲慢なくらい自己主張を繰り広げており、また、自己主張しておかしくないくらいの強靭さを秘めています。アジアへの旅を重ねるに連れ、僕の中では、中国文化に対する畏怖の念が増していったのです。
ペナン版ミニ・タイガーバーム・ガーデン
一方で、この趣味の悪さはどうでしょう。日本人であろうとアメリカ人であろうと、趣味の悪い人間はどこにでもいるのでしょうが、その趣味の悪さをここまで堂々とあからさまにできるのは、およそ中国人だけなのかもしれません。
ちょっと頭の痛くなる(?)光景です。
ペナン南東部、バトゥー・マウンにある海に面した海鮮レストラン。その裏庭のようなところにありました。パンコール島で見た「万里の長城」もそうなのですが、中国キッチュは、とにかく意表をついているのです。
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