子供の頃、バスに乗るたびに、終点まで行ってみたいという誘惑にかられたものでした。いつも降りる停留所の向こうにはどんな世界が広がっているのか。想像力はいろいろと働くのですが、ちょとした勇気が出ないためになかなか踏み出せず、実現したのは、なんと高校生の頃。授業を抜け出し、一度、チャレンジしてみました。始発から終点まで行き、そこからまた別の終点まで行くというようなことですが、まあ、所詮は横浜市内。あまり面白いものではありません。
香港のように、公共の交通機関が発達し、漢字と英語でサイン標記されているような街では、この方法で安上がりのスリルが体験できます。危険を感じることもなく、ちょっとした冒険気分が味わえたりとか、観光地とはまた別の、一般庶民の生活の場が覗けたりとかで、旅先での余分の1日をこんな感じで過ごすのも、まあ、なかなか楽しいものがあるのです。
ペナンでもやってみました。ジョージタウンで南に向かうバスに乗り、途中で乗り換え、西の果てまで行ったのが、この写真。ゲルタク・サンガルという小さな漁村です。
浜辺からとても近いところで網を投げていました。
乗ってきたバスが、すぐに折り返して出発し、次のバスはなんと2時間後。ということで、村の背後に広がるジャングルに足を踏み入れてみました。
足元に海を見下ろし、どこに続いているのかもわからない細道を延々と登って行ったのですが、熱帯雨林が奥深くなるにつれ、視界から海が消え、やがて丈高い樹々が鬱蒼と生い茂る本格的なジャングルに・・・。途中、村に降りて行くオートバイとすれ違ったくらいなのだから、どこか人の活動する場があるはずなのだと思っても、結局は、広がってゆく妄想に打ち勝つことができなくなり、あえなく途中で引き返すことになりました。
とゆうことで、せっかくの機会に、ペナンの果てを見ることができなかったのですが、見たとしても、結局はたいして面白いものでもなかったのかもしれません。
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