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その1
 【香港の夜景】
 飛行機は夜の9時頃香港に着きました。2時間前に成田にチェックインして窓際の席をとったのは、100万ドルの夜景と言われる夜の香港の姿を、空の上から眺めたかったから。その光景は、まるで、南シナ海に宝石箱をひっくり返したかのよう。息を呑むような美しさです。

 飛行機は、香港島の東側から入って、スタンレーの上空あたりを抜けて行きました。右下を見ると、セントラルの灯りが煌々と輝いています。大好きな中国銀行の建物が、「見ろ!ここが香港の中心なんだ!」と、誇らしげに叫んでいるかのよう。その天才的なデザインと奇抜な発想は、お隣の香港上海銀行や灣仔の香港會議展覧中心なんかより、ずっとずっと素晴らしい。唯一無二の香港の象徴です。

天才建築家イ・ミンペイによる中国銀行ビル


 あっという間に香港島を駆け抜けると、奇妙な形の長州島を飛び越えてランタオ島に入って行き、そこで機体を大きく傾けると、進路を変えて九龍に向かいました。ランタオ島に建設中の新空港と、九龍・香港島を結ぶハイウェイの両側には、灯りがともされていて、その形は、上空から眺めると、周慧敏(ビビアン・チョウさま)の胸のあたりを飾っている長い長いネックレスのよう。このまま慧敏さまの胸の中に跳び込んで行ってしまいたい、と思ったくらいの美しさです。 

 そして、九龍に入ると、古い公営住宅をかすめるように高度を下げて行き、九龍塘のあたりでもう一度機体を傾けると、啓徳空港に着陸しました。

 いよいよ香港です。


【尖沙咀】
 空港から尖沙咀まで、1Aの路線バスに乗りました。このバスに乗りこみ、香港の空気に直接触れた瞬間に、香港の旅が始まります。本数も多く、尖沙咀まで最短の距離を走るので、エアポート・バスよりはずっと便利な存在です。
〔※新空港になってから、このバスに乗る楽しみがなくなりました。古くても狭くても、啓徳空港が本当に好きだった。〕

 ホテルは、今回、初めて尖沙咀のYMCAをとりました。残念ながら、ハーバー・ビューの部屋ではなかったのですが、それでも、そのロケーションの良さは特筆もの。通りを渡ると香港文化中心があり、その向こうはもうビクトリア・ハーバー。スター・フェリーまで歩いて3分という距離で、対岸のセントラルがとても身近に感じられました。

夜景も素晴らしいが、昼間の景色も素晴らしい!

 夜、眠れないときは、ハーバー越しに香港島の夜景を眺めていました。香港では、やや、せつない気持ちになることがあったので、ここで感傷的な気持ちに浸っていると、それはそれで、印象的な旅の思い出になりました。
 
 YMCAの部屋はとても広くて快適です。MTRの駅周辺の中級ホテルよりグレードは高く、値段も安く、コインランドリーまでついてるという親切さ。食堂でコーラかなんか飲みながら講義録の整理をしている学生たちを見ていると、こちらの気持ちまで若返りそう。

 次回は、ぜひハーバー・ビューの部屋に泊まってみようと思いました。
〔※次に訪れたとき、念願のハーバー・ビュー・ルームに泊まりました。しかも、ダブル・ブッキングしていたとかで、スイート・ルームにアップ・グレードまでしてもらって・・・。広い部屋の、大きな大きな窓から、ビクトリア・ハーバー越しにセントラルが実に間近に見れました。〕

                   
             

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